中層・高層大気や宇宙とのつながり

大気中の微量成分濃度は、地球環境の変動だけでなく太陽活動や高エネルギー粒子の流入など宇宙環境の影響も受けて常に変動しています。温室効果ガスの排出による気候変動や特定フロンの排出によるオゾン層破壊などの人為的な影響だけでなく、約11年周期の太陽活動、太陽フレアや磁気嵐などによる地球周辺環境の急激な変化、火山活動やエルニーニョ現象などの自然現象も、大気中の化学反応や大気輸送の変化を介して大気微量成分の時空間分布に影響を与えます。

私たちは、電波や赤外線を用いた地上からのリモートセンシングにより大気微量成分の時間変動を観測し、その要因を定量的に解き明かそうとしています。多くの人々が暮らす中緯度域に位置する北海道での観測データは、地球全体での長期的な大気環境変化を捉える国際的な観測ネットワークの一部としてその原因の解明に貢献します。また、オーロラが見られる極域の南極昭和基地や北欧ノルウェーでは、太陽活動に伴い地球の磁力線に沿って降り込む高エネルギー粒子によって生じるオゾン破壊物質の大気影響の解明を進めています。

今後は、これらの観測データを数値シミュレーションと組み合わせることで、中層・高層大気における物理・化学過程の理解を深め、その変動機構の解明へとつなげていきます。